みんなの講座 PART2



算数の文章題において、たびたび使われる考え方があります。

それは差を集めるという考え方です。

実はこの考え方、中学生や高校生になって方程式を覚えてしまうと、
もう後戻りがきかないようにアタマがついていかなくなり、
大人になって社会に出てしまうと、ますますアタマがついていかなくなり、
そんなわけで、算数を勉強する子どもたちに差集め算を不意に質問され、
 アレレレレ〜〜〜???
となってしまう方が多くても、それは仕方のないことだと思います。

まぁ言ってみれば大人の世界(一般生活)ではあまり用いない考え方でして、
言われてみればとても単純な理屈なんですが、
そういう発想はフツーあんまりしないな〜 というレアな発想なんです。

しかしこの差を集めるという考え方、中学受験の算数では大変重要です。
ちょっとオーバーですが、入試問題の出題者たちは、
差集め算のような文章題を出すことで、
頭の柔軟な生徒を見つけようとしているかも知れません。
だから、この講座をお読みになったみなさんは、差集め算の達人を目指してください。
きっとそれだけで算数の文章題力は、30%くらいUPすることでしょう。


それではここから差集め算。

いまここに100ドル紙幣と25ドル紙幣が6枚ずつあったとしましょう。
100ドル紙幣だけの合計価値は 100×6=600ドル
25ドル紙幣だけの合計価値は 25×6=150ドルです。
簡単なかけ算ですぐわかりますね。

さてこのとき、普通はそのようなことをあまり考えないものですが…;^^)
100ドル紙幣と25ドル紙幣がもし1枚ずつだったら、
両紙幣の価値の差は75ドルです。
もう一度最初の合計価値を見直してください。
600ドルと150ドル。その差は600−150=450ドル。
これって75ドルの6倍になっていますよね。

全然当たり前じゃないかって? はい、当たり前です。
でもこの当たり前が応用されていくうちに、
当たり前がはずれ前になってしまうんですよ。
まずここでは当たり前でもいいので、次の事柄を頭に叩き込んでください。

両紙幣の枚数がそろっているという大前提で、
(1枚あたりの価値差)×(そろっている枚数)=(全体としての価値差)

では問題を出します。


1箱750円のタバコ(イギリス並みの高さ!?)を何箱か買う予定で
お金をちょうど持っていきました。
ところが1箱500円のタバコにしたため、予定よりも4箱多く買えて、
用意したお金をちょうど使いきりました。
はじめ、750円のタバコを何箱買う予定でしたか?

よくありそうな問題でしょう?
方程式? ダメダメ、反則かつ頭の運動の妨(さまた)げです。
方程式、方程式と頼るうち、柔軟な発想はどんどん削(そ)がれてしまいます。
算数に強くなりたいなら、方程式の存在はひとまず忘れてみてください。

この問題ですが、慣れてくると問題をチラっと見ただけで答えが出せるようになります。
難しい計算など何一つ必要ありません。ボクも今、チラっと見て暗算しましたよ。
答えは8箱です。

実はこの問題の構造は、さっきの100ドル、25ドル紙幣の話とまったく同じなんです。
こうやって考えてください。

エクセレント 750 750 750 ・・・・・・・・・・ 750 750

ファイスター 500 500 500 ・・・・・・・・・・ 500 500500 500 500 500
                                      4箱多い

説明のためにタバコに名前をつけました。
同じ金額で、ファイスターはエクセレントより4箱多く買えます。
すると、個数のそろっている上の図の││内では、
全体としていくらの差が生じるでしょうか?

そうです。
││内で考えれば、ファイスターの方が500×4=2000円安くなるはずです。
(ファイスターの図で、右側に飛び出ている分だけ安くなる)

エクセレント1箱と、ファイスター1箱では
750−500=250円の差があります。
その差がいくつか集まり、全体として2000円の差が生じた。
ということは?

ええ、そうそう。 2000÷250=8より、
││内のそろっている個数が8箱ずつとわかるのです。
すなわち、はじめに買おうとしたエクセレントの個数は8箱です。

リ整理。←’リ’ は三井のリハウスのリ、リアクションのリ;^^)

〜紙幣の話〜
 1枚の価値差が75ドル
 それらが6枚ずつ集まって
 450ドルという全体の差を作った

〜タバコの話〜
 1箱の値段の差が250円
 それらが8箱ずつ集まって
 2000円という全体の差を作った

このように整理して書くと、どちらも同じ構造の問題だということが
よくわかるのではないかと思います。
いくつかの小さな差を集めて、全体としての大きな差ができる。
逆にいえば、全体としての大きな差から小さな差がいくつ集まったかを考える。
このようなタイプの問題が、算数では差集め算と呼ばれています。

上のカラー表示にそろえて差集め算の公式を示しておけば

(全体の差)÷(1つ分の差)(そろっている個数) となります。

くどいですが、紙幣の枚数やタバコの個数をそろえて考えることが重要ですよ。
その前提がないと、差集め算がうまく解けなくなりますから注意しましょう。

問題によっては、はんぱな金額をくっつけて、条件をややこしくしたり、
登場する2つの品物の個数を何倍も違えておいて、
差集め算であることを気づきにくくさせるような意地悪問題もありますが、
差集め算の基本構造は、この講座に書いたことがすべてです。
あとはどうやって基本に持ち込むか? それだけです。
意地悪な差集め算もまたいつか取り上げてみようと思います。

それではみなさん、次回の講座までごきげんよう!

◆筆者注◆
「みんなの算数講座」をそのまま続けてもよかったのですが、
気分一新、マンネリ打破、PART1講座の目次も混雑してきたし、
あまりPART1の講座ばかり増やすと、今後全問正解者が出なくなる危険もあるし、
まぁ、いろんな意味で「みんなの算数講座PART2」も作り、分割してみました。
これからは、このホームページの2本柱として、両方の講座を書いていこうと思います。


PART1と同じように、最後の問題を解答送信できるようにしました。
できた人は、トップページ(または目次ページ)にある
「解答用紙」のボタンから解答を送信してください。
正解の場合、個人正解ボックスのページに掲載いたします。


 <わかった〜? W1> ←PART2講座の宿題の名称です。
                       解答送信の際は、問題番号をW1としてください

 1本150円のジュースを何本か買う予定でお金をちょうど持っていきました。
 ところがその日は特売日で、1本120円で売っていたので、
 予定より3本多く買えて、しかも90円あまりました。
 はじめ、ジュースを何本買う予定でしたか?