みんなの 講座
PART2

ちょっと古い自慢話をさせてください。
もう3、4年前の話ですが、某県の教育委員会から
1通のメールを頂いたことがあります。
その用件は、ボクの書いている「みんなの算数講座」の1つを、
ナ、ナ、ナント、小学校の先生たちに配る算数指導用の資料として
そのまま複写して使わせてもらえないか、というものでした。
そんな光栄な講座は、PART1の第3講座です。
PART1の第3講座といえば、
食塩水の問題に有効なてんびんについて説明した講座です。
もちろん、光栄なお話なので2つ返事でOKしましたけど、
てんびんは、塾の算数ではすごく当たり前の話だったので、
嬉しい反面、アレをね〜ぇ
なんて驚きも隠せませんでしたね。
でもやっぱり感激でした;^^)
だって、ボクの書いた算数講座が、指導用資料として
全県の小学校の先生に配付されたわけですから。
その後、熱心な先生がボクにメールをくれたりしましたっけね。
長くホームページをやっていると、いろいろイイことがあるものです。
ところが…
あの講座で説明したてんびんは、
それがフイットした問題なら、とても便利に答えが出せちゃうのですが、
てんびんの使用が封印されていて、それ以外の別の発想をしないと、
答えにたどりつけない問題もいろいろあるんです。
今回は、そんな意地悪(?)な食塩水問題を2題です。
前置きが長かったですから、早速いきましょうか。
[問題1]
2つの容器A、Bがあり、Aには12%の食塩水が300g、
Bには7%の食塩水が200g入っています。
2つの食塩水から同じ量の食塩水を取り出し、
Aから取り出したものをBに、Bから取り出したものをAに入れて
よく混ぜると、A、Bの食塩水の濃度は等しくなります。
初めに取り出した食塩水は何gずつですか?
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簡単ですか?
A、Bそれぞれの食塩水の濃度、それぞれの重さはわかっていますが、
すべてを混ぜ合わせるわけではなく、同じ量の一部分を交換する問題です。
まず、他に手がかりもなさそうなので、与えられた数値を使って、
全部混ぜ合わせたときの濃度を求めてみましょう。
「A 12%の食塩水300g」
と 「B 7%の食塩水200g」を
全部混ぜ合わせると↓
食塩水の重さ…300+200=500g
食塩の重さ…300×0.12+200×0.07=36+14=50g
混ぜ合わせたときの濃度…50÷500=0.1=10%
美しくわり切れました。全部混ぜ合わせると10%になります。
さてここで大切な発想! なかなか浮かびにくいけど…
<同じ量を交換したときに等しくなる濃度> それはすなわち
<全部混ぜ合わせたときの濃度> と同じです。
わかりますか? もう少しくわしく言い直しましょう。
<同じ量の部分交換でAとBの食塩水の濃度が等しくなった>
→<その等しい濃度の状態になったとき、AとBを全部混ぜても
やはり等しい濃度に変わりはない>
→<それは、初めから全部混ぜたのと同じこと> です。
つまり、同じ量の部分交換を終えたあとの食塩水新Aと新Bは、
どちらも10%(初めから全部混ぜ合わせたときの濃度)なのです。
ということは、食塩水新Aも新Bも、12%の食塩水と7%の食塩水を
3:2の割合で含んでいなければならない。
※12%の食塩水と7%の食塩水を3:2の割合で混ぜると10%になる(最初の計算)
これらのことから、はじめにあった食塩水A(12%)では、
300÷(3+2)×3=180g がそのままAに残され、
300-180=120g が食塩水Bに移されます。
同じように、はじめにあった食塩水B(7%)では、
200÷(3+2)×2=80g がそのままBに残され、
200-80=120g が食塩水Aに移されます。
当然どちらの計算でも3行目の数値が一致していますが、
初めに取り出した(交換した)食塩水は 120g
ずつとわかります。
考え方さえ理解できていれば、とても簡単な問題です。
本当は、AとBを全部混ぜたときの10%という濃度も出す必要がない。
300g と 200g を 3:2 として比例配分に利用すれば
ハイ終わり の問題です。
でもこ〜ゆ〜 easy な発想こそ盲点になりやすいものです。
しっくりいかない人は、もう一度ゆっくり読み直してくださいね。
[問題2]
新庄クンは、15%の食塩水100gを作る予定で、
水100gに食塩15gをとかしました。
ところが、できた食塩水が15%でないことに気づき、
食塩水をある量だけ捨て、さらに食塩をある量だけとかして
15%の食塩水100gを作りました。
新庄君が捨てた食塩水の量と、あとでとかした食塩の量は
それぞれ何gですか?
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易しそうに見えますが、うまく手順を追っていかないと、
だんだんアタマがこんがらがっていく問題です。
例年、イライラする生徒がたくさんいます。みなさんは冷静に対処できますか?
新庄君が間違えて作った食塩水と、最後にできた正しい食塩水を比較します。
【M 間違いの食塩水】 食塩15g 水100g 全体115g 濃度15/115=3/23
【R 正しい食塩水】 食塩15g 水85g 全体100g 濃度15/100=15%
Mの状態をRの状態に直したいわけですが、
減らしたい量は水15gであり、全体15gではありません。
(全体15gを減らすと食塩も減ってしまう…)
Mの状態は濃度3/23ですから、水の占める割合は1−3/23=20/23
よって、Mの食塩水が水15gを含むための食塩水全体の量は、
15÷20/23=17.25g ← 相当算の基本
(比べる量)÷(割合)=(もとにする量)
つまり、Mの状態から食塩水17.25gを捨てれば、水15gが捨てられます。
このことで水15gが捨てられましたが、食塩水17.25gの中には
17.25×3/23=2.25gの食塩が含まれていますから、
その分の食塩を補わなくてはなりません。
よって、最後に補う食塩の量は 2.25g です。
(もちろん全体量の不足分として
17.25−15 と考えてもOK!)
答え 捨てる食塩水 17.25g あとでとかした食塩
2.25g
以上、<食塩水問題=てんびん>
には例外もあるよ〜というお話でした。
本来、例外と言えば少ないはずなんだけど、あんまり多くの塾が
食塩水のてんびんを(面積図も)流行らせちゃったもんだから、
最近は、てんびんの使えない食塩水問題も増加傾向にありますね。
以前、PART1の第3講座で「そのうちてんびんの弱点も書きます」なんて
宣言しながら、他の内容に押されてなかなか書く暇がなかった。
だから、だいぶ久々でしたけど、今回は食塩水問題に触れてみました。
ではこれで終了。 みなさん、第15講座でまた算数しましょうね!
最後に<わかった〜?>があります。
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