みんなの講座



もうだいぶ古い話になりますが、確かニッテレで(TBSだったかな?)
「勝利の女神」という中学受験を舞台にしたドラマをやっていました。
主演は二人。陣内孝則さんとSMAPの中居クンです。
陣内さんが算数の先生で、中居クンが国語の先生。
視聴率もかなり高かったと思うので、
ボクら世代の人なら覚えている人も多いと思います。

個人的には、あのドラマのお陰で塾のイメージが美化され、
だいぶ仕事をしやすくなった覚えがあります。
塾にはどうしても必要悪みたいなイメージがあるでしょ? それがかなり薄まった。
われわれに対する生徒の見方が変わったという感じでしたね。
だけど一方では、女子生徒のこんな発言もありました。
「そりゃ私だって中居くんが先生だったら、勉強もっと頑張るよ。でもさあ・・・」

ガ〜〜〜〜〜ンです。
でもさあ・・・で口をつぐんだ彼女でしたが、
そこまで言ってしまえば言いたいことはわかってしまいます。
しばらくクラクラして立ち上がれませんでしたよ。
そ、そんなこと言われても…。
口には出しませんでしたが、ボクは心の中でこう呟(つぶや)きました。
「そういうことは親に言ってくれよ。生まれてくる子供は親を選べないんだから…」


今回取り上げる問題は、
勝利の女神で、主演の陣内さんが絶叫しながら教えていた問題です。


下の図は、1辺の長さ5の正方形ABCDの中に
2つの四分円(円の1/4のおうぎ形)を書いたものです。
中央にあるレンズ形の面積はいくつですか?
ただし、円周率は3.14とします。



まずは素直に考えてみましょう。
下の図のようにレンズ形を2つに分割します。



四分円BCDの面積は、5×5×3.14÷4=19.625
三角形BCDの面積は、5×5÷2=12.5
19.625−12.5=7.125 → レンズ形の半分の面積
7.125×2=14.25 → レンズ形の面積(答え)

今の方法がもっともオーソドックスだと思いますが、
ここで陣内さんの絶叫公式について。

実は中央のレンズ形の面積は正方形ABCDの0.57倍という
有名なショートカットがあります。

つまり、5×5×0.57=14.25というわけです。 こりゃ速い!
受験生の間では常識中の常識ですが、ご存知ない人も多かったかも知れません。
覚えておくと便利ですよ。

ではここで0.57倍の根拠を。

正方形の1辺を□とすると、レンズ形の面積は、上の説明と同じように
  (□×□×3.14÷4−□×□÷2)×2
=(□×□×3.14÷4−□×□×0.5)×2 ← ÷2を×0.5と直した
=(□×□×0.785−□×□×0.5)×2 ← 3.14÷4=0.785
={□×□×(0.785−0.5)}×2 → □×□を分配法則で1つにまとめた
=(□×□×0.285)×2
= □×□×0.57
□×□は正方形の面積を表すから、レンズ形の面積はその0.57倍。


このコラムは2006年に書き直しましたが、初めに書いたのは2002年でして、
ちょうどその年、ビックリしまくりの算数指導要領改悪が行われ、
算数の教科書の円周率が3.14から「約3」に変更されるという事件が起きていました。
その後是正されたのは当然ですが、もしも当時の円周率「約3」を容認すると、
陣内さんのショートカットは、0.57の部分が0.5になってしまい、
レンズ形の面積が正方形のちょうど半分となり、しかも、レンズ形の半分の面積が、
その下のスキージャンプ台のような図形の面積と等しいことになってしまうのです。
(実際は レンズの半分:スキージャンプ台=57:43 約1.3倍)
面積が1.3倍も違うものを等しいと教えるのは、どう考えてもやり過ぎでしょ?
たった0.14の端数でも、やはり小学生に教える円周率は3.14がふさわしいようです。
他にも中心角60度のおうぎ形で、半径=弧の長さになっちゃたりとか、
いろいろ問題が起きていましたっけねえ。
コラムの書き直しにあたり、
ニヤニヤしながら当時を思い出してしまうさんじゅつまんでした。


では最後に宿題です。今回はたぶん簡単です。
できた人は、トップページの解答用紙から送信してください。
正解者は「正解者コーナー」で定期的に発表しています。


<宿題番号12>

下の図は、1辺の長さ7の正方形ABCDの中に、
四分円ABDを書いたものです。
四分円の下のある、★をつけた部分の面積はいくつですか?
ただし、円周率は3.14とします。